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エスキューブ知財ニュース2025年4月号

エスキューブ知財ニュース2025年4月号をお届けします。
エスキューブ知財ニュースは、知財実務に直結する制度や改正法の情報に関する「今月のヘッドライン」と、医薬品分野のトピックに関する「医薬品知財情報アップデート」等の構成にて毎月発行の予定です。

━━Contents━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[1]知財高裁、美容クリニックの特許侵害認める

[2]医薬品知財情報アップデート
■日本新薬、職務発明の対価の支払い命じる判決
■リボミック、抗 TGF-β1アプタマーに関する物質の特許査定
■サイフューズ、3D細胞製品に関する新たな知的財産権取得

[3]医薬バイオ食品化学審決情報

[4]先発対後発医薬品の特許係争最前線

[5]セミナー情報

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━[1]知財高裁、美容クリニックの特許侵害認める
豊胸用の薬剤の特許を侵害されたとして、医療機器販売会社が都内の美容クリニックの医師に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁は一審・東京地裁判決を取り消し、医師に約1500万円の賠償を命じました。「医師が治療などのため薬の調剤を行う場合、特許の効力は及ばないが、今回は豊胸が目的で、社会通念に照らしても治療と認めることはできない」として特許侵害に当たると判断されました。

▼詳しくは「判決文」をご覧ください。

https://www.ip.courts.go.jp/vc-files/ip/2025/hanketsuzenbun-r5ne10040.pdf

[2]医薬品知財情報アップデート

■日本新薬、職務発明の対価の支払い命じる判決
日本新薬株式会社は、元従業員が在職中の職務発明に対する対価の支払いを求めていた訴訟について、約9,400万円の支払いを命じる判決が下されたことを公表しました。

▼詳しくは「職務発明対価訴訟一審判決についてのお知らせ」(ニュースリリース)をご覧ください。

https://www.nippon-shinyaku.co.jp/file/download.php?file_id=8336

リボミック、抗 TGF-β1アプタマーに関する物質の特許査定
株式会社リボミックは、日本国特許庁に特許出願していた抗 TGF-β1アプタマーに関する物質特許について、特許査定を得たことを公表しました。

形質転換増殖因子β1(TGF-β1)は、TGF-βスーパーファミリーに属するサイトカインであり、細胞の増殖、分化、遊走など多岐にわたる細胞機能を制御するタンパク質で、がんの進行や転移に関与していることが知られています。

▼詳しくは「抗 TGF-β1アプタマーに関する物質特許の日本における特許査定のお知らせ」(ニュースリリース)をご覧ください。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4591/tdnet/2580331/00.pdf

■サイフューズ、3D細胞製品に関する新たな知的財産権取得
株式会社サイフューズは、3D細胞製品に関して、ヒト体内の機能の一部を体外で再現した、世界初の「機能性細胞デバイス」(Functional Cellular Device:FCD®)の商標登録及び「ヒト 3D ミニ肝臓」に関連する特許を取得した事を公表しました。

「ヒト 3D ミニ肝臓」は、創薬における候補化合物の肝毒性をより開発早期に検出することで、医薬品開発費の高騰や開発中止リスクという課題を解決し、将来的には動物実験代替法として利用できる可能性を有する点で、様々な業界から注目を集めているようです。

▼詳しくは「当社 3D 細胞製品に関する新たな知的財産権取得のお知らせ」(ニュースリリース)をご覧ください。

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS03732/e35de73a/d3c9/49f5/86ed/346b41c7521f/140120250228585139.pdf

[3] 医薬バイオ食品化学審決情報
リンク付きファイルはこちら

[4] 先発対後発医薬品の特許係争最前線
弊社が注目する先発対後発医薬品の無効審判、判定請求、侵害訴訟の情報を気まぐれにアップデートしていきます。今月は、バイオ医薬品の先発対後発医薬品の特許係争で初めて判決が出されたケースを紹介します。
東京地判平成31年5月29日平成29(ワ)44053号
リツキサンのバイオ後続品(バイオシミラー)を製造販売等するサンド、協和醗酵キリンに対し、先発特許の専用実施権者である原告ジェネンテックが東京地裁に差止請求訴訟を提起しました。先発特許は、1件の出願から分割を繰り返して出願から15年以上経ってようやく権利化された3件でした。しかし分割出願の過程で、うっかり明細書に記載されていない文言をクレームに記載してしまい、これがあだになってサポート要件違反により特許は無効と判断されました。詳しくは:医薬品特許戦略ブログ 第26回へ

日本で承認されたバイオ後続品は年々増えていますが、バイオ医薬品の先発対後発の特許権侵害訴訟で判決が出されたのは、筆者の知る限り現在でもこのケースのみです。日本で承認されたバイオ後続品は、NIHのウエブサイトで確認することができます。日本で承認されたバイオ後続品: https://www.nihs.go.jp/dbcb/biosimilar.html#b06

[5]セミナー情報

今回は、最近お問い合わせが急増している、弊社の「知財ビジネスコミュニケーションセミナー」をご紹介します。
その背景には、「知財部門の話がわかりにくい」と感じている現場の声があるようです。
(※あくまで弊社の分析に基づく見解です)

そうしたお悩みをお持ちの皆さまにこそ、ぜひご案内したいのがこのセミナーです。
「知財ビジネスコミュニケーションセミナー」は、知財部門と他部署との情報伝達や意思疎通に課題を感じている方、また「知財部の話が専門的すぎて伝わらない」と感じた経験のある方に向けて設計された、グローバル知財人財育成プログラムです。

たとえば、セミナー資料の一部「知財・無形資産ガバナンス実践のためのプレゼンテーションスキル」は、以下のリンクよりご覧いただけます:
👉 資料抜粋はこちら
(試料に記載の見逃し配信期間は終了しました)

また、過去に実施したセミナーや社内研修のタイトルも、以下にご紹介しております。
さらに詳しく知りたい方は、こちらからお気軽にお問い合わせください。

過去のセミナー開催例:(セミナータイトルは様々ですが、セミナーの狙いは同じです)

情報機構様主催
・知財・無形資産ガバナンス実践のためのプレゼンテーションスキル
業界団体主催セミナー
・「知財人財のための、“伝わる”プレゼンスキル」ウエビナ―&ワークショップ
社内研修例
・知財ビジネスコミュニケーション
・知財部のための戦略的プレゼンスキル
・グローバル知財人財育成コース
・知財ビジネスファシリテーション
・(英語編)知財英語コミュニケーションワークショップ
・(英語編)知財英語ディスカッションセミナー知財人財のためのプレゼンスキル」

セミナー開催のお問合せ・ご要望はこちらから

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