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エスキューブ知財ニュース2023年5月・6月号をお届けします。
エスキューブ知財ニュースは、知財実務に直結する制度や改正法の情報に関する「今月のヘッドライン」と、医薬品分野のトピックに関する「医薬品知財情報アップデート」の二部構成にて毎月発行の予定です。なお、医薬品関連の審判決については「医薬品審判決情報」をご覧ください。
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[1] 今月のヘッドライン:政府、「知的財産推進計画2023」を決定
■知的財産推進計画2023~多様なプレイヤーが世の中の知的財産の利用価値を最大限に引き出す社会に向けて~
[2] 医薬品知財情報アップデート
■製薬関連団体、特許期間中の薬価の維持を提言
■米国最高裁、Amgen v. Sanofi 事件(PCSK9)のCAFC判決を支持
■米国地裁、アステラス製薬の過活動膀胱治療薬特許無効の判決
■ノーベルファーマ、沢井製薬のノベルジン後発品を特許侵害で提訴したと発表
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政府は、6月9日に知的財産戦略本部を開催し、「知的財産推進計画2023」~多様なプレイヤーが世の中の知的財産の利用価値を最大限に引き出す社会に向けて~を決定しました。
本会議の本部長である岸田首相は、「日本のイノベーションを活性化し、持続的な経済成長を実現していくためには、多様なプレイヤーが、知的財産の価値を最大限に引き出す社会へと変革していくことが重要」との考えを示しました。
「知的財産推進計画2023」では、今後の知財戦略を推進する際に重要となる政策課題と施策を以下の重点10施策に整理しています。
1.スタートアップ・大学の知財エコシステムの強化
2.多様なプレイヤーが対等に参画できるオープンイノベーションに対応した知財の活用
3.急速に発展する生成AI時代における知財の在り方
4.知財・無形資産の投資・活用促進メカニズムの強化
5.標準の戦略的活用の推進
6.デジタル社会の実現に向けたデータ流通・利活用環境の整備
7.デジタル時代のコンテンツ戦略
8.中小企業/地方(地域)/農林水産業分野の知財活用強化
9.知財活用を支える制度・運用・人材基盤の強化
10.クールジャパン戦略の本格稼働と進化
▼詳しくは「知的財産推進計画2023」をご覧ください。
・https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku_kouteihyo2023.pdf
日米欧の製薬3団体の共同声明「2024年度薬価制度改革への提言」、及び製薬協・上野新会長記者会見にて、特許期間中の薬価の維持について提言がなされました。
詳しくは、以下製薬協発表のニュースをご覧ください。
▼日米欧製薬3団体が共同声明 2023年4月14日
・https://www.jpma.or.jp/news_room/release/news2023/230414.html
▼製薬協・上野新会長記者会見 2023年5月25日
・https://www.jpma.or.jp/news_room/release/news2023/g75una000000246g-att/20230525_2.pdf
ジェトロの知財ニュース(2023年5月19日付、JETRO NY 知財部発)によりますと、5月18日に、米国最高裁判所は、Amgen v. Sanofi事件の連邦巡回区高等裁判所(CAFC)の判決を支持する判決をした、とのことです。
本件は、Amgen社が、同社のPCSK9阻害剤「レパーサ(REPATHA)」を保護する特許2件に基づく訴訟であり、2014年にSanofi社に対して特許侵害訴訟を提起していました。
Sanofi社は、Amgen社特許が米国特許法第112条(a)の実施可能要件を具備していない旨を主張しておりましたが、連邦地裁では、Sanofi社の主張が認められて特許を無効とする判決がされ、CAFCもこれを支持していました。今般、最高裁も、判事の全員一致で下級審判決を支持しました。
▼ジェトロ 知財ニュースはこちらをご覧ください。
・https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Ipnews/us/2023/20230519.pdf
▼判決文全文はこちらをご覧ください。
・https://www.supremecourt.gov/opinions/22pdf/21-757_k5g1.pdf
アステラス製薬株式会社(東京都中央区)は、6月12日付のニュースリリースで、米国で販売している過活動膀胱治療薬「MyrbetriqⓇ」(一般名: ミラベグロン)に関する特許について、特許を無効とする米国デラウェア州連邦地方裁判所の判決を確認したことを発表しました。
本件は、複数の企業が申請したMyrbetriqⓇの後発品が、ミラベグロンの徐放性製剤に関するアステラス製薬の特許を侵害しているとして、同社が提訴していた訴訟です。
アステラス製薬は、連邦巡回区控訴裁判所に上訴する予定であること、また同製品の過活動膀胱に関する用途特許、および結晶特許は2024年5月まで有効であり、直ちに後発品が発売されることは想定していない、と述べています。
▼ニュースリリースはこちらをご覧ください。
・https://www.astellas.com/en/system/files/news/2023-06/f10c91fda3/%e3%80%90JP%e3%80%91myrbetriq0612_Fin2.pdf
ノーベルファーマ株式会社(東京都中央区)は、4月18日付のニュースリリースで、ウィルソン病治療剤(銅吸収阻害剤)・低亜鉛血症治療剤「ノベルジンⓇ錠(以下、ノベルジン)」の後発医薬品の製造販売承認を取得した沢井製薬株式会社に対し、自社が保有する特許を侵害するとして、2023年4月17日、東京地方裁判所に特許侵害行為の差止を求める訴訟を提起したと発表しました。
▼ニュースリリースはこちらをご覧ください。
・https://www.nobelpharma.co.jp/_cms/wp-content/uploads/2023/04/a0f01502c726641a72465a832edc0b99.pdf
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