エスキューブ知財ニュース２０２５年２月号をお届けします。
エスキューブ知財ニュースは、知財実務に直結する制度や改正法の情報に関する「今月のヘッドライン」と、医薬品分野のトピックに関する「医薬品知財情報アップデート」等の構成にて毎月発行の予定です。

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［１］ クラリベイト、年次レポート「Drugs to Watch」を発表

［２］医薬品知財情報アップデート
■第一三共、ADCの抗体部分「抗TA-MUC1抗体」の知的財産権を買い取る
■三井メディカルジャパン、リンパ浮腫患者でも履ける機能性シューズの特許取得
■モダリス、LAMA2-CMD 特許、日本で成立

［３］医薬バイオ食品化学審決情報

［４］先発対後発医薬品の特許係争最前線

［５］セミナー情報

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［１］クラリベイト、年次レポート「Drugs to Watch」を発表
クラリベイト社は、「Drugs to Watch 2025」レポートを発表し、今後ブロックバスターになると予測される注目の医薬品を特定しています。
本レポートでは、商業的に、あるいは、臨床的に成功の可能性がある医薬品について、詳細な予測分析を行っています。本年度は、5年以内にブロックバスターの地位を獲得するか、治療パラダイムに変革をもたらすとされる注目すべき11の医薬品を特定しています。
▼詳しくは「年次レポート「Drugs to Watch」をご覧ください。
https://clarivate.com/ja/news/clarivate-identifies-eleven-potential-blockbuster-and-transformative-drugs-in-annual-drugs-to-watch-report/

［２］医薬品知財情報アップデート

■第一三共、ADCの抗体部分「抗TA-MUC1抗体」の特許を買い取る
第一三共株式会社は、Glycotope GmbH「Glycotope社」が創製したgatipotuzumab（抗TA-MUC1抗体）の知的財産権を同社から買い取りしたことを公表しました。抗TA-MUC1抗体は、当社の６番目のDXd ADCであるDS-3939の抗体部分です。TA-MUC1は、多くの上皮がんにおいて過剰発現していることから、がん治療の有望な標的であると言われています。
▼詳しくは「DS-3939の抗TA-MUC1抗体の知的財産権買い取りのお知らせ」（ニュースリリース）をご覧ください。
https://www.daiichisankyo.co.jp/files/news/pressrelease/pdf/202501/20250114_J2.pdf

■三井メディカルジャパン、リンパ浮腫患者でも履ける機能性シューズの特許取得
がんサバイバー、骨盤臓器脱患者など深刻な医療課題を抱える方たちの症状緩和、予防につながる医療機器の企画・開発・製造を手掛ける株式会社三井メディカルジャパンは、リンパ浮腫患者でも履けるシューズを開発し、特許を取得したことを公表しました。圧迫による痛みやしびれを軽減し、快適な履き心地を実現したシューズになっているようです。
▼詳しくは「三井メディカルジャパン、リンパ浮腫患者でも履ける機能性シューズの「特許取得」のお知らせ」（PRTIMES）をご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000153412.html

■モダリス、LAMA2-CMD 特許、日本で成立
株式会社モダリスは、「LAMA1 遺伝子を標的とした筋ジストロフィーの治療方法」が日本で特許査定になったことを公表しました。同社独自のCRISPR-GNDM®によるエピゲノム編集技術を用いた先天性筋ジストロフィー1a 型（LAMA2-CMD）に対する遺伝子治療薬、MDL-101に関連する特許になります。
▼詳しくは「LAMA2-CMD 特許、日本で成立のお知らせ」（ニュースリリース）をご覧ください。
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS04819/e8075aa4/1ab6/47aa/9448/89b0d4be4ffa/140120250123554431.pdf

［３］ 医薬バイオ食品化学審決情報
リンク付きファイルはこちら

［４］ 先発対後発医薬品の特許係争最前線
弊社が注目する先発対後発医薬品の無効審判、判定請求、侵害訴訟の情報を気まぐれにアップデートしていきます。今月は、パテントリンケージ関連の事件を２つご紹介します。

１．エリブリンメシル酸塩事件（エリブリン事件）
「特許権侵害差止請求権及び損害賠償請求権不存在確認請求事件」
第１審：東京地判令和4年8月30日令和3（ワ）13905号
第２審：知財高裁判令和5年5月10日令和4（ネ）10093号
先発品の承認後に出願された先発の用途特許（本件特許権）を理由に、パテントリンケージにより後発品の承認が妨げられない様、後発品申請後に後発企業が本件特許権に基づく債務の不存在確認を求めた事件。
さらに裁判所は、本件は原告と被告間の問題ではなく、原告と厚労省（国）との間の問題であるから、不服があるなら国を訴えよ、と述べました。知財高裁判決の後、上告されずに確定しました。
詳細はこちら⇒「医薬品特許戦略ブログ 第２５回：先発対後発医薬品の特許係争最前線（３）エリブリン」

２．アイリーア事件（サムスン対バイエル事件）
「不正競争防止法違反に基づく差止仮処分申立事件」
東京地裁令和6年10月28日令和6（ヨ）30029号
パテントリンケージで虚偽の回答をする行為が不競法上違法となる場合の判断基準について判断された事件。
エリブリン事件と同様、先発品の承認後に出願された先発の用途特許（本件特許権）が関係しています。後発品（バイオ後続品）申請後に登録された先発（債務者：バイエル）の特許について、債務者が厚労省等に対し、当該バイオ後続品を製造販売する行為が本件特許権を侵害する旨の告知をした行為が、不競法上の不正競争にあたるとして差し止めの仮処分を求めました。裁判所は、以下の「判断基準」を示し、本件では特段の事情は認められないから債権者(後発：サムスン)の主張は認められないと判断しました。

• パテントリンケージで虚偽の回答をする行為は、不正競争の一類型に含まれる
• パテントリンケージの趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くものと認められる特段の事情がある場合には、競争関係にある後発医薬品の製造販売承認を申請する者の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知するものとして、不競法２条１項２１号に掲げる不正競争に該当する

詳細は、来月の「医薬品特許戦略ブログ」に掲載予定です。

［５］セミナー情報

最終案内！ 見逃し配信は2/20まで申込受付中！
エスキューブ医薬品特許セミナー「医薬品特許戦略－入門編」（Web、ライブ配信）
医薬品ビジネスを保護する特許戦略構築のために「知っておきたい」「知っておくべき」情報を基礎から学ぶセミナーです。
医薬品業界の特殊性やその特殊性に基づく医薬品業界に特有の特許・薬事関連の制度について、知財部門の方はもちろん、研究開発、経営企画、薬事、製造、法務、営業、そして部長や経営層にわたる幅広い皆様に向けてわかりやすく説明します。お申込みはお急ぎください。
定　員：100名（見逃し配信は定員の制限なし）
対象者：医薬品関連企業の知財・法務・研究・開発・薬事・営業部門、経営者、アカデミア、官公庁の皆様
受講料：27,000円（税込み 29,700円）
　　　　お申込後に請求書をメール添付PDFにてお送りします。
その他：セミナー前日までに、会議情報と資料（PDF）をメールにてお送りします。
申込期限：ライブ配信は2月17日まで　／　見逃し配信は2月20日まで

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